16巻1号

2017年2月25日発行

オンラインISSN 1347-4448,印刷版ISSN 1348-5504
発行 特定非営利活動法人グローバルビジネスリサーチセンター(GBRC)

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< 査読つき研究論文 >

二刀流組織からみた富士フイルムの企業変貌プロセス

柴田友厚, 児玉充, 鈴木潤

pp. 1-22

探索と活用という目的と性質が違う二種類の活動を、企業内で分離させながらも共存させる二刀流組織の考え方が提示されてきた。しかし、企業内の探索と活用の関係性は状況に応じて異なるにもかかわらず、先行研究はその違いを考慮していないために有効性と妥当性に限界がある。本稿は、探索製品と主力製品の製品代替性に注目して、二刀流組織を共食い型と補完型の二つに類型化し、各々経営課題と有効なマネジメントが異なることを議論する。そして富士フイルムの詳細な事例分析から、デジタル化の波を生き延びた要因の一つは、状況適合的な二刀流組織のマネジメントを行った点にあることを主張する。
キーワード:二刀流組織, 富士フイルム, 技術転換, 多角化, 探索, デジタルカメラ

柴田友厚, 児玉充, 鈴木潤 (2017)「二刀流組織からみた富士フイルムの企業変貌プロセス」『赤門マネジメント・レビュー』 16(1), 1-22. doi: 10.14955/amr.0161116a

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< 経営学輪講 >

リードユーザーが生み出す製品コンセプトは本当に優れているのか?―経営学輪講Urban and von Hippel (1988)

秋元創太, 三富悠紀, 井上剛

pp. 23-34

ユーザーイノベーションに関連する研究は、非常に多岐な分野へと広がっている。それに伴って、ユーザーイノベーションを起こせるような先駆的な顧客、所謂リードユーザーの特定が着目されている。本稿では、①はじめてリードユーザーを特定し、②特定したリードユーザーが考案した製品コンセプトを評価するプロセスを構築し、第三者から高い評価を得ることの二つの貢献をした Urban and von Hippel (1988) の解説と評論を試みる。その上で後続の研究を確認し、リードユーザーによって生み出された製品コンセプトが本当に優れているのかについて疑問を提示していく。
キーワード:リードユーザー法, リードユーザー, 開発, イノベーション

秋元創太, 三富悠紀, 井上剛 (2017)「リードユーザーが生み出す製品コンセプトは本当に優れているのか?―経営学輪講Urban and von Hippel (1988)」『赤門マネジメント・レビュー』 16(1), 23-34. doi: 10.14955/amr.0161117a

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< ものづくり紀行 >

ヨーロッパのイノベーション

新宅純二郎, 二又俊文, 吉岡(小林)徹, 許經明, 瀬川晶子

pp. 35-60

本稿は、2016年8月にフィンランドとドイツで実施した調査にもとづいたものである。前半では「ヨーロッパの産学連携」と題して、フィンランドのイノベーション基盤とドイツの産学連携で重要な役割を果たしているフラウンホーファー研究機構について紹介する。後半では「変貌するレガシー欧州企業」と題して、欧州を代表する大企業の戦略転換や組織改革について紹介する。まず、フィンランドのノキアが、端末部門のマイクロソフトへの売却など大規模なリストラの後どのように高収益企業に変貌しつつあるかについて紹介する。また、ドイツのシーメンスが、全社R&D組織を中心にして、Industry 4.0やIoT時代にどのように取り組もうとしているかについて述べる。
キーワード:イノベーション, 産学連携, フィンランド, フラウンホーファー研究機構, ノキア, シーメンス

新宅純二郎, 二又俊文, 吉岡(小林)徹, 許經明, 瀬川晶子 (2017)「ヨーロッパのイノベーション」『赤門マネジメント・レビュー』 16(1), 35-60. doi: 10.14955/amr.0170111a

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