Online ISSN 1347-4456
Print ISSN 1347-4464


ABAS is also included in EBSCO host, ProQuest, CrossRef, and J-STAGE.
This publication is supported by JSPS KAKENHI Grant Number JP16HP2004.

ABASの日本語サイト

 ABASは日本学術振興会科学研究費補助金(国際情報発信強化)の補助を受けています

ABAS: Annals of Business Administrative Science について

ABAS (「アバス」と呼んでいます)は、日本国内の経営研究の成果を海外の研究者向けに発信する無料(open-access)の英文オンライン・ジャーナルです。もちろんレフェリー誌です。 世界的な学術誌データベースであるEBSCO hostとProQuestにも収録され、全文ダウンロード可能になっていますが、これは日本の経営学系のジャーナルとしては初めてのことです。 創刊は2002年で、東京大学大学院経済学研究科経営専攻の教員有志が中心となって設立した NPO法人グローバルビジネスリサーチセンター (Global Business Research Center: GBRC) が発行しています。

ABASは創刊10周年を一区切りとし、Volume 11からは新生ABASとして再スタートしました。社会科学系の従来の海外・国内ジャーナルとは一線を画し、まったく異なる新しい「ABASスタイル」の個性的でスタイリッシュな論文を掲載し、「引用されるジャーナル」を目指す。これがABASの編集方針です。

ABASスタイルとは

  1. 1論文は、一つの学説、一つのデータセット、一つのコンセプトに焦点を当て、論旨がシンプルかつ明快です。
  2. 論文タイトルと要約は、それを読むだけで、論文の論旨、主張を理解できるように解説的です。
  3. 1論文は、一気に読み切れる長さ10〜15ページ程度を目安にしてコンパクトにまとめられています。
  4. 世界共通語として英語を使う以上、nonnative “reader” of English を想定した平易な英文です。
  5. 高度な数学・統計手法は使いません。
ABASが特に重視しているのは、従来のジャーナルが軽視してきた、しかし読者は読みたいと思っている次の三つのジャンルです。
《テクニカル・ノート》 既存研究の間違いや問題点を明らかにしたもの
《事実発見型調査報告》 調査データから得られた面白い事実発見を明記したもの
《コンセプチュアル・ペーパー》 自他問わず面白い概念モデルを紹介・解説したもの

ABASは、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイトJ-STAGEの早期公開機能を導入しています。J-STAGEの「早期公開」(Advance Publication)は、巻・号・ページ等の書誌情報が未確定の論文を公開できる機能です。早期公開版も本公開版も同じDOIが付与され、同一の論文として扱われ、Google Scholarにもデータが提供されます。早期公開は論文採択後できるだけ速やかに行われますので、早期公開版の公開は不定期になります。早期公開された論文は2ヶ月に1号のペースでまとめて、巻・号・ページ等を確定してからJ-STAGEで本公開するとともに、学術論文を中心とした学術情報を検索して利用できる世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)、ProQuest (有料)にも逐次収録されて、全文ダウンロードが可能となります。論文が早期公開されると、『GBRCニューズレター』(ほぼ週刊)で告知されますので、最新刊の案内が欲しい方には配信登録されることをお勧めします。このサイトでは、とりあえず論文の内容を日本語で紹介していきますが、著者本人による公式の要約ではないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。

ABASのダウンロード J-STAGE


早期公開 Advance Publications


Kikuchi, H. (2018). The legitimacy acquisition process of Shinkansen speeding up.
Annals of Business Administrative Science, 17(3), 133-143.
doi: 10.7880/abas.0180509a Download (Available online June 15, 2018)

新規性を伴うアイディアは既存組織に中では抵抗を受けやすい。資源を動員するには、何らかの形で正統性を確保する必要がある。JR東海の300系新幹線の開発の場合には、それまでの国鉄が分割民営化され、新幹線収入がそのほとんどを占めるJR東海が誕生したことで、プレイヤーが限定され、組織の大半の賛同を得ることが可能になった。すなわち、支持者の絶対数ではなく割合が向上したことで正統性を獲得できたのである。

Suh, Y. (2018). International allocation of value chains: The emergent strategy of Ikegami Mold Engineering.
Annals of Business Administrative Science, 17(3), 123-132.
doi: 10.7880/abas.0180320a Download (Available online June 8, 2018)

多国籍企業は競争優位を得るために、立地優位性のある場所にバリューチェーン上の特定の活動を配置することで国際分業体制を形成すると説明されてきた。しかし実際には、海外子会社が本国とは異なる経営環境にさらされたことで、創発戦略の結果として国際機能別分業が生じた可能性がある。池上金型工業は金型を製造・販売するために日本、メキシコ、中国に生産拠点を置いている。その中でメキシコ拠点は、他の拠点とは異なり、金型の修理・改造事業をしている。これは事前に意図されたものではなく、メキシコの経営環境から創発された戦略だった。メキシコの産業基盤が金型の製造には適していなかった中で、メキシコ市場には金型の修理・改造需要があり、また池上はそれに対応できる技術力を蓄積していた。そのため、金型の修理・改造という新しい事業が生まれたのである。

Takahashi, N. (2018). Talks with the president raise future expectations.
Annals of Business Administrative Science, 17(3), 109-121.
doi: 10.7880/abas.0180506a Download (Available online June 5, 2018)

未来係数を向上させるにはどうしたらいいのか。X社は、日本全国に事業所を展開する正社員約1300人の大企業であるが、社長が各事業所に視察に行き、従業員たちと対談する機会を設けたことで、そうではない事業所と比べて未来に期待がもてて、未来係数を向上させる効果があったことが調査票のデータから明らかになった。さらに対談後に社長が出席する懇親会への従業員の参加率が80%以上になると、その効果がさらに高まったことがわかった。しかし、社長が交代し、こうした実践が中止されると、効果は失われていく。つまり未来係数は定数ではなかったのである。それを維持するには、不断の実践が必要だったことになる。

Kuwashima, K. (2018). Open innovation and the emergence of a new type of university-industry collaboration in Japan.
Annals of Business Administrative Science, 17(3), 95-108.
doi: 10.7880/abas.0180314a Download (Available online June 1, 2018)

日本では、1990年代半ばから2000年代半ばにかけて、産学連携を促進するために大規模な制度改革が行われた。産学連携というキーワードがマスコミで多数取り上げられ、社会的なブームとなった。しかし、それは一時的なものであり、2003年をピークに下火になった。再び、産学連携が注目されるようになったのは、2010年以降である。この時期、日本では“オープンイノベーション”(Chesbrough, 2003)が流行し、その取り組みの1つとして、新しいタイプの産学連携が登場した。従来、日本の産学連携は、「小規模、短期、個別」の契約が多かった。それに対して、新しいタイプは、「大規模、長期、包括的」な契約に特徴がある。

Byun, S. (2018). A bandwagon with few passengers: Minimill and FINEX in steel industry.
Annals of Business Administrative Science, 17(2), 83-93.
doi: 10.7880/abas.0180311a Download (Available online April 12, 2018)

一般に、既存技術は新技術に代替されていくものだという先入観がある。本稿で取り上げる鉄鋼産業では、かつてChristensen (1997) が、従来の一貫製鉄技術がミニミル技術に代替されると考えていた。この他にも、業界では、従来の高炉技術がFINEX技術に代替されるものだと考えられていた。ミニミル、FINEXどちらの新技術も、既存技術に比べ、コスト面で圧倒的に優位だったからである。しかし実際には、新技術による代替は一部にとどまり、今でも既存技術の補完技術にすぎない。どちらの新技術も品質で課題があり、企業は既存技術を捨てて、新技術に代替することに踏み切れなかったのである。

Inamizu, N. (2018). Creative workplace behavior: The effect of the three behavioral characteristics in office and personality.
Annals of Business Administrative Science, 17(2), 69-82.
doi: 10.7880/abas.0180309a Download (Available online April 11, 2018)

本研究は、オフィスでの行動とクリエイティビティの関係を検証するため、質問票調査を実施した(N=2938)。分析の結果、オフィスでの3つの行動特徴(コラボレーション、フレキシビリティ、デモンストレーション)がクリエイティビティと正の関係があることが明らかとなった。ただし、それらの関係は、個人のパーソナリティによって変わってくることも示された。具体的には、生産的パーソナリティを持つ人は、先の3つの行動特徴を非常に高いレベルで実現できるオフィスでなければ、クリエイティビティを十分に高めることはできない。中程度のレベルのオフィスではそのような人たちのクリエイティビティはあまり高まらないのである。一方、生産的パーソナリティ持たない人は、3つの行動特徴を中程度のレベルで実現できるオフィスでも、クリエイティビティを高められる。しかし、それらの行動特徴を非常に高いレベルで実現できるオフィスにしたからといって、クリエイティビティをさらに高められるとは限らない。つまり、個人の生産的パーソナリティを考慮して、オフィス施策を考える必要がある。

Aizawa, A. (2018). Institutional isomorphism in Japanese firms' compliance activities.
Annals of Business Administrative Science, 17(2), 57-68.
doi: 10.7880/abas.0180130a Download (Available online April 4, 2018)

日本企業によるコンプライアンス活動は一定の発展をみせ普及している。しかし、不祥事を起こした企業2社を含む、多様な業種の7社についてインタビューや公開された資料を基に調べたところ、7社は驚くほど似たコンプライアンスの制度を有していた。これは、日本企業の間では、経団連や政府の影響下でコンプライアンス活動の制度化が進んだからであり、事実、DiMaggio and Powellの制度的同型化のメカニズムが機能していた。そのため、パフォーマンスすなわち不祥事防止の成否とは独立に、コンプライアンス活動の同型化が進んだと考えられる。

Fukushima, Y. (2018). How are we keeping “Who are we?”: Organizational identity of Fujifilm.
Annals of Business Administrative Science, 17(2), 45-56.
doi: 10.7880/abas.0180204a Download (Available online March 22, 2018)

組織アイデンティティを特徴付けるものとして、既存研究では連続性が挙げられる事が多い。しかし、事業環境が激変する現代において、組織はいかにしてアイデンティティの連続性を保つのだろうか。本稿では、FUJIFILM Holdings Corporationの2002年から2015年までの14年分のアニュアル・レポートを、テキストマイニング手法によって分析し、特徴語の変遷を追った。その結果、同社は、主力事業であった写真フィルム市場の急激な縮小の中で、“フィルム”という用語を様々な文脈で使い続ける事で、事業構造の変化に応じて“フィルム”の意味内容を拡張してきた事が判明した。同社のマネジメントはこうしたプロセスを用いて意図的に連続性を持たせる事で、組織アイデンティティの維持に努めていたのである。

Hatta, M. (2018). The role of mailing lists for policy discussions in open source development.
Annals of Business Administrative Science, 17(1), 31-43.
doi: 10.7880/abas.0170904a Download (Available online February 7, 2018)

本論文は、オープンソースソフトウェア開発におけるいわゆる「ポリシー」に関する議論がこれまでどのように行われてきたかを、Debianプロジェクトを中心としたいくつかのプロジェクトのポリシー・メーリングリスト・アーカイブを用いて分析したものである。1990年代末から最近までの約7万通のメールを用い、流量の増減やどのようなトピックが語られていたかを検討した。結果として、流量の面では2005年にピークを迎えたこと、比較的少数の、ポリシー関係のみ登場する投稿者が多くのメールを投稿して議論をリードしていること、および2006年頃からそもそもポリシーだけではなくメーリングリスト全体の流量が減少し、Wikiやchatなどその他に議論の場が移っている可能性があることが示唆された。

Kuwashima, Y. (2018). Structural equivalence explains contagion: A case of cosmetics.
Annals of Business Administrative Science, 17(1), 23-30.
doi: 10.7880/abas.0170920a Download (Available online January 22, 2018)

化粧品は、一見どの商品を使っているのか判断できない。そこで本稿では、顕示性のない財である化粧品について、消費者ネットワークがどのような影響を及ぼすかを分析する。化粧品のクチコミサイトにおけるクチコミを購買行動の代理変数とし、消費者ネットワークと購買行動の関係を社会ネットワーク分析で分析する。顕示性のない財である化粧品においては、直接結合のときだけでなく、ネットワーク内で構造同値の関係にある場合にも同じ購買行動をとることがあることが確認された。

Yamashiro, Y. (2018). Two sides of management in distribution system integration: The case of Harley-Davidson Japan.
Annals of Business Administrative Science, 17(1), 11-21.
doi: 10.7880/abas.0171122a Download (Available online January 17, 2018)

多くのオートバイディーラーは家族経営で、目先の売り上げを志向し、感情面で納得しないと理屈だけでは動かない。Harley-Davidson Japan (HDJ) は、そんな資本関係のないディーラーだけからなる正規代理店制度をとり、直営ディーラーはもたなかった。本稿では、Toshifumi Okui氏がHDJ代表取締役であった1991年から2008年までを対象とするが、その間、HDJは、大型バイクで国内シェアトップを堅持し、他の二輪メーカーからは流通システム統合の成功事例と呼ばれた。ディーラーにHDJの意図する運営をさせるために、HDJの流通システム統合の表面では、制度的なNo control sales zero policy及び人的なmultilayer human relationship building policyが注目された。しかし、それには、裏面での組織トップによる毛筆書簡及び東京裁判が不可欠だった。

Wada, T. (2018). Capability-based cost leadership strategy of Japanese firms.
Annals of Business Administrative Science, 17(1), 1-10.
doi: 10.7880/abas.0171018a Download (Available online November 30, 2017)

Fujimoto (2003) 他が日本の製造企業の強みとして指摘した、現場の生産能力を活用する戦略は、capability-based cost leadership strategy (CBCL strategy)ともいうべきものである。1990年代になると、環境変化によりこの戦略が機能しなくなり、日本の製造企業の国際競争力が低下する。この状況を打破する方策として、Fujimotoは市場パフォーマンスを強化し、高いものづくり品質を消費者にアピールする差別化戦略をとるべきだと主張した。しかし、結局、日本の製造企業の業績回復は、新興国の人件費高騰、為替相場の円安シフトといった、CBCL strategyに合った環境に戻ってからだった。このことは、日本の製造企業の多くが、市場における競争力の強化による差別化戦略への転換ができず、CBCL strategyのままだったことを示唆している。

日本語要約付き既刊論文リスト ABAS Article List


Volume 16/2017
Volume 15/2016
Volume 14/2015
Volume 13/2014
Volume 12/2013
Volume 11/2012
Volumes 1-10/2002-2011 (日本語要約なし)


  編集委員会   査読と掲載について   論文テンプレート

  Instructions to authors (著作権ポリシーを含む)

ABASへの投稿を考えている人のための ABAS Conference





Copyright (C) 2002-2018 Global Business Research Center (GBRC). All rights reserved.
Editorial Office: MERC, University of Tokyo. Kojima Hall, Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo, JAPAN.
ABAS is also included in EBSCO host, ProQuest, CrossRef, and J-STAGE.
This publication is supported by JSPS KAKENHI Grant Number JP16HP2004.