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ABAS is also included in EBSCO host, ProQuest, CrossRef, and J-STAGE.
This publication is supported by JSPS KAKENHI Grant Number JP16HP2004.

ABASの日本語サイト

 ABASは日本学術振興会科学研究費補助金(国際情報発信強化)の補助を受けています

ABAS: Annals of Business Administrative Science について

ABAS (「アバス」と呼んでいます)は、日本国内の経営研究の成果を海外の研究者向けに発信する無料(open-access)の英文オンライン・ジャーナルです。もちろんレフェリー誌です。 世界的な学術誌データベースであるEBSCO hostとProQuestにも収録され、全文ダウンロード可能になっていますが、これは日本の経営学系のジャーナルとしては初めてのことです。 創刊は2002年で、東京大学大学院経済学研究科経営専攻の教員有志が中心となって設立した NPO法人グローバルビジネスリサーチセンター (Global Business Research Center: GBRC) が発行しています。

ABASは創刊10周年を一区切りとし、Volume 11からは新生ABASとして再スタートしました。社会科学系の従来の海外・国内ジャーナルとは一線を画し、まったく異なる新しい「ABASスタイル」の個性的でスタイリッシュな論文を掲載し、「引用されるジャーナル」を目指す。これがABASの編集方針です。

ABASスタイルとは

  1. 1論文は、一つの学説、一つのデータセット、一つのコンセプトに焦点を当て、論旨がシンプルかつ明快です。
  2. 論文タイトルと要約は、それを読むだけで、論文の論旨、主張を理解できるように解説的です。
  3. 1論文は、一気に読み切れる長さ10〜15ページ程度を目安にしてコンパクトにまとめられています。
  4. 世界共通語として英語を使う以上、nonnative “reader” of English を想定した平易な英文です。
  5. 高度な数学・統計手法は使いません。
ABASが特に重視しているのは、従来のジャーナルが軽視してきた、しかし読者は読みたいと思っている次の三つのジャンルです。
《テクニカル・ノート》 既存研究の間違いや問題点を明らかにしたもの
《事実発見型調査報告》 調査データから得られた面白い事実発見を明記したもの
《コンセプチュアル・ペーパー》 自他問わず面白い概念モデルを紹介・解説したもの

ABASは、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイトJ-STAGEの早期公開機能を導入しています。J-STAGEの「早期公開」(Advance Publication)は、巻・号・ページ等の書誌情報が未確定の論文を公開できる機能です。早期公開版も本公開版も同じDOIが付与され、同一の論文として扱われ、Google Scholarにもデータが提供されます。早期公開は論文採択後できるだけ速やかに行われますので、早期公開版の公開は不定期になります。早期公開された論文は2ヶ月に1号のペースでまとめて、巻・号・ページ等を確定してからJ-STAGEで本公開するとともに、学術論文を中心とした学術情報を検索して利用できる世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)、ProQuest (有料)にも逐次収録されて、全文ダウンロードが可能となります。論文が早期公開されると、『GBRCニューズレター』(ほぼ週刊)で告知されますので、最新刊の案内が欲しい方には配信登録されることをお勧めします。このサイトでは、とりあえず論文の内容を日本語で紹介していきますが、著者本人による公式の要約ではないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。

ABASのダウンロード J-STAGE


早期公開 Advance Publications


Fukuzawa, M. (2019). Factory strategy: Research on the role of plant in the operations management.
Annals of Business Administrative Science.
doi: 10.7880/abas.0190731a Download (Available online September 6, 2019)

主要ジャーナル掲載のオペレーションマネジメント関連の論文では、(1)事業戦略と製造戦略のアラインメントの程度やプラクティスの実現度とパフォーマンスとの関係、(2)国際的な生産ネットワークにおける工場の役割、(3)オペレーション担当役員による事業戦略と製造戦略のすり合わせに関する実証研究が進められてきた。ただし、これらの研究は、企業の戦略上の強みとして工場の役割を位置づけているとはいうものの、突き詰めれば、「工場の役割は本社や事業部から与えられるもの」という視点に立っている。しかし、日本の国内工場がさまざまな課題に世界的にみて先進的に取組み続けてきた現象は、その範囲を超えていた。厳しい環境の中を生き残り、成長を続けていこうとする工場の役割や工場長の果たす戦略的行動と、工場で構築される組織能力の関係について、工場側の視点から探索的な研究を行うことが必要である。

Aizawa, A. (2019). Product identity leads to organizational activation in crisis.
Annals of Business Administrative Science, 18(4), 135-147.
doi: 10.7880/abas.0190725a Download (Available online August 9, 2019)

組織は、(1) 従業員が目的を共有していて、(2) その目的の達成に自発的に貢献しようとしている時に「活性化」していると言われる(Takahashi, 1992)。活性化している状態では(1)と(2)を満たすProblem Solverと呼ばれる人材が重要な役割を果たす。本稿で取り上げるA社は、業績的に危機だったために、(1)で企業のアイデンティティではなく、製品のアイデンティティを追求することで、従業員が自発性を発揮し、組織が活性化した。さらに製品のアイデンティティだったがゆえに、他社にも展開を始めている。

Huang, W. (2019). Management of exhaustion in continuous product development: The case of a mobile game company.
Annals of Business Administrative Science, 18(4), 123-134.
doi: 10.7880/abas.0190621a Download (Available online July 25, 2019)

モバイルゲームのような継続的な開発活動が特徴の製品の場合、(a)バグ対応の開発負荷に、(b)新規コンテンツの開発負荷が上乗せされ、開発現場が疲弊しがちである。本稿が取り上げる事例では、(a)一部のユーザーから指摘のバグ対応で現場が疲弊したが、バグの多くが特定のイベントやアイテムに関するものだったので、ゲームシステムに関連する緊急事態でない限り、迅速なアップデートはしないことにした。また、(b)PvE (Player versus Environment)のコンテンツ消費スピードが速いため、当初、新規コンテンツはPvE 70%、PvP (Player versus Player) 30%に配分していたが、PvEのコンテンツ消費スピードが想定以上に速かったことで現場が疲弊した。他方、PvPはユーザー生成が主なので、コンテンツの追加は頻繁ではないが、妥当性検証に時間がかかっていた。そこで、シミュレーションでユーザー対戦の一部を検証することで、検証時間を約35%短縮し、PvE 40%、PvP 60%に配分を変えた。(a)(b)により開発現場の疲弊感は解消されるとともに、(b)でソーシャル性の高いPvPの配分を増やしたことで、新規ユーザーの獲得と既存の課金ユーザーの収益化にも成功した。

Kosuge, R., & Shiu, J.-M. (2019). Creating retail customer experience through distribution of decision authority between headquarters and stores.
Annals of Business Administrative Science, 18(3), 113-121.
doi: 10.7880/abas.0190325a Download (Available online May 31, 2019)

顧客はたとえ満足していても、企業の意図にそぐわない経験をしているかもしれない。本稿では、自動車ディーラーの本部と46店舗の関係性の比較により、優れた顧客経験を生み出すために、タッチポイントに関する決定権限がどのように配分されるべきかを検討した。全般的にタッチポイントの決定権限は本部から店舗へシフトしていたが、顧客経験が優れる2店舗では、ブランドプロモーション系タッチポイントに関する決定権限の行使は実質的に本部が行なっていた。さらにこの2店舗は、対人系タッチポイントを、本部が構築したブランドプロモーション系タッチポイントへ適応させていた。つまり、タッチポイントに関する決定権限を、その権限行使のために不可欠な知識を持つ主体が行使しながら、ブランドの観点からタッチポイント間の一貫性を達成することが重要だと考えられる。

Takahashi, N. (2019). Owning a company: The Japanese experience.
Annals of Business Administrative Science, 18(3), 103-112.
doi: 10.7880/abas.0190422a Download (Available online May 23, 2019)

「所有物であれば何をしても自由である」と考えるならば、あなたの「所有」観は、あまりにも稚拙で幼稚である。これは、所有の対象が、動物であれ、物であれ、会社であれ、まったく同じである。所有者には責任がある。たとえオーナー経営者であっても、自分の会社だから何をしても自由というわけではない。それは会社の私物化であり、処罰されることになる。肝心なことは、自分が所有者だと名乗る以上は、所有者には責任があるという当り前の自覚を持つということなのだ。

Fukuzawa, M. (2019). Critique on the lean production system research.
Annals of Business Administrative Science, 18(3), 85-101.
doi: 10.7880/abas.0190403a Download (Available online May 15, 2019)

1990年代以降、リーン生産方式に関する研究では、効率的な生産組織が持つ特性リーンネスの測定尺度開発が進み、HPM調査やIMSS調査に起源を持つShah and Ward (2003,2007)が一つの集大成となっている。しかし、その説明力は必ずしも高くはない。一方、IMVP調査では、質問紙調査に加え、実際に各国の自動車メーカーの開発・生産現場)を訪問していたが、実は、複数の日本の自動車メーカーを比較すると、仮にリーンネス尺度にもとづけば高得点でJIT生産を実現していると判断されそうな現場であっても、その実現方法・やり方には違いがあった。大規模かつ国際的・産業横断的な質問紙調査だけでは、こうした違いを測定し検出することは難しく、そのことが説明力の低さに現れている可能性がある。またリーンネス尺度でパフォーマンスの差異を説明するアプローチには、国や産業の違いを超えた「ベスト・プラクティス・リーンな状態」が存在するというリーン仮説が背後にあるが、説明力の低さはリーン仮説の妥当性に疑問を抱かせる。

Nakano, K., & Ohara, T. (2019). Omiai: Japanese initial private offering.
Annals of Business Administrative Science, 18(2), 75-84.
doi: 10.7880/abas.0190212a Download (Available online April 13, 2019)

日本では古来、結婚相手を探す際に「お見合い」をする風習があった。本稿で取り上げる日本のInnovation Leaders Summitにおける大企業とベンチャー企業のマッチング事例は、まさに「お見合い」といっていいものだった。欧米型のマッチング事例とは異なり、参加する企業・経営者はお互いに提携経験があまりなく、仲介者もHolzmann, Sailer, and Katzy (2014)らが指摘するような強いコミットメントはしない。その代わり「お見合い」同様、仲介者は提携初心者の大企業・ベンチャー企業のプロフィールを交換させ、出会いの場を設定して引き合わせるだけなのである。

Sato, H. (2019). Using grounded theory approach in management research.
Annals of Business Administrative Science, 18(2), 65-74.
doi: 10.7880/abas.0190326a Download (Available online April 13, 2019)

マネジメントリサーチの分野で、多数派の仮説検証型の定量研究とは対照的に、定性的な理論構築型の研究を行う際、方法論的正当性を主張するために頻繁に引用されるのが、Glaser and Strauss (1967)を嚆矢とするGrounded theory approach (GTA)である。その後、GlaserとStraussが対立するようになったこともあり、GTAは3つのパースペクティブに分化した。そのうち最も多く引用されているのが、コーディングなどの分析手続きを詳細に規定するStrauss and Corbin (1990)であるが、引用する研究がこの特性を十分反映しているとは限らない。その結果、3つのパースペクティブの違いが、研究の方法論の違いに結びついているわけではないことが明らかになった。

Kuwashima, K. (2019). Classification for measuring the impact of open innovation on practice.
Annals of Business Administrative Science, 18(2), 51-63.
doi: 10.7880/abas.0190314a Download (Available online April 6, 2019)

Chesbrough (2003a)が提案したオープンイノベーションは、学会のみならす実務にも多大な影響を与えた。しかし、オープンイノベーションの定義が広く多義な一方で、Chesbrough自身がオープンイノベーション の具体例(オープンイノベーション・プラクティス(OIP))を明確に示さなかったために、実務家は多様な解釈をした。したがって、オープンイノベーションの実務に対するインパクトを正確に測定するためには、OIPをいくつかのタイプに分類する必要がある。本稿ではその分類法を2つ提案する。第1は、Chesbroughと実務家がOIPと呼ぶものが一致しているかどうかである。この視点によれば、OIPは、次の3つに分類できる: (a) Chesbroughも実務家もそれをOIPと呼ぶ、(b) ChesbroughはそれをOIPと呼ぶが、実務家は呼ばない、(c) ChesbroughはそれをOIPと呼ばないが、実務家は呼ぶ。(a)は明確にオープンイノベーションのインパクトと評価できる。一方、(b)(c)の解釈には注意が必要である。第2は、現在OIPとして実施されている活動に関して、それが (i) Chesbrough(2003)より前に開始されたのか、(ii) Chesbrough(2003)以後に開始されたのか、の区別である。(ii)はオープンイノベーションのインパクトと評価できるが、(i)は従来から行われていたプラクティスの呼び方を "OIP" と変えたに過ぎない。(i)をオープンイノベーションのインパクトに含めると、過大評価となる可能性がある。

Yamashiro, Y. (2019). Disincentives of organizational routines transfer: Case of adaptive radiation in a sales and marketing company.
Annals of Business Administrative Science, 18(2), 37-49.
doi: 10.7880/abas.0190303a Download (Available online April 3, 2019)

本稿が取り上げる営業組織変革の事例では、優れた成果をあげる組織ルーティンが形成され、他組織にも利用可能な形で見える化・標準化されていたにも関わらず、営業拠点間で移転しなかった。その原因は、「組織はKPIを達成すれば、その自律性が保障される」という営業組織のルールの存在だった。すなわち、各営業拠点がKPIを達成している好業績組織においては、各営業拠点は高い自律性を保障されているので、(a)独自に組織ルーティンを改善していい、(b)他組織の組織ルーティンを押し付けられない。つまり、好業績組織において、組織ルーティンは、(a)各営業拠点で独自進化し、(b)各営業拠点間では横展開しないという適応放散が観察された。

Inamizu, N., & Makishima, M. (2019). Non-territorial office with various zoning increases privacy: Implications for activity-based working.
Annals of Business Administrative Science, 18(1), 25-36.
doi: 10.7880/abas.0190121a Download (Available online February 15, 2019)

Allen and Gerstberger (1973)は、ノンテリトリアル・オフィスはプライバシーを改善したと報告しているが、実は実験後のオフィス・レイアウトを見ると、単にノンテリトリアル・オフィスにしただけでなく、多様なゾーニングがなされ、状況に応じてゾーンを選べるようになっていたことがわかる。このことに着想を得て、本研究では、インターネット調査により得られた6592名のデータをもとに、ノンテリトリアル・オフィスがプライバシーに与える影響および、多様なゾーニングの効果も分析する。分析の結果、1)ノンテリトリアル・オフィスそのものはプライバシーに大きな影響を持たないこと(ノンテリトリアル・オフィスそれ自体はプライバシーを改善も悪化もさせない)、2)むしろ多様なゾーニングこそがプライバシーを改善すること、3)さらに興味深いことに、ノンテリトリアル・オフィスにおいて、多様なゾーニングが全くなされていないとプライバシーは大きく悪化し、多様なゾーニングが徹底的に行われているとプライバシーは大きく改善すること、が明らかとなった。このような分析結果は、ノンテリトリアル・オフィスとプライバシーに関わる論争に一つの解決策を提示するとともに、最近出現しつつある新しいタイプのオフィス(アクティビティ・ベースド・ワーキングやアクティビティ・ベースド・オフィス)にも示唆を与えるものである。

Wada, T. (2019). Decline of business brings growth opportunities.
Annals of Business Administrative Science, 18(1), 13-23.
doi: 10.7880/abas.0181119b Download (Available online February 7, 2019)

中小企業(SME)の多くは、多角化や事業転換といった新規事業の立ち上げに消極的である。そんな中で、やまと興業株式会社および山口化成株式会社の2社では、tough times bring opportunityという慣用句のごとく、既存事業の衰退が、危機であると同時に、新規事業立ち上げの機会をもたらしていた。また、起業時の経験ではなく、起業後の第二の事業の立ち上げ経験が、以後のさらなる事業の立ち上げ意欲につながっていた。

Abe, M. (2019). Leader's episodic change and followers’ continuous change: The case of Rakuwakai Otowa Hospital.
Annals of Business Administrative Science, 18(1), 1-12.
doi: 10.7880/abas.0181206a Download (Available online January 21, 2019)

Weick and Quinn (1999) は、組織変革を扱った既存研究をレビューし、一時的変化と連続的変化という対照的な組織変革は、観察者の視点を反映していると主張する。すなわち、一つの組織変革を一時的変化としても、連続的変化としても説明・記述できるというわけだが、その具体的事例は知られてこなかった。本稿でとり上げる洛和会音羽病院の変革の場合は、リーダーが一時的変化として変革を説明するのに対し、それと同じ状況を、フォロワーである職員は連続的変化として説明していた。

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