GBRCニュース   2006.05.29

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『赤門マネジメント・レビュー』 Vol.5, No.5 発行!!

      ダウンロード数ランキングも更新

 

『赤門マネジメント・レビュー』 Vol.5, No.5が発行されました。

http://www.gbrc.jp/GBRC.files/journal/amr/index.html

目次と要約は下記の通りです。研究会報告は無料でダウンロードできます。「も

のづくりコラム」「ものづくりアジア紀行」も無料コンテンツです。

 

1. 新宅 純二郎 pp. 281-282

「ものづくりコラム 第二回 中国企業は脅威か?」

 

2. 新宅 純二郎 pp. 283-288

「ものづくりアジア紀行 第三回 フィリピンの擦り合わせものづくり」

 

3. 田中 正 pp. 289-368

「ケース研究 トヨタ生産方式の自動車販売業への活用と一般化

 ―自動車販売業の業務改革プロジェクト―」

 本論文は、生産における “ものづくり現場” の代表的なオペレーション方式

であるトヨタ生産方式(TPS)が、販売・サービス現場の改善に、どのように活

用されているか、神奈川トヨタ自動車(上野健彦社長、以下K社)の協力を得て

観察し、理論化、一般化を試みた研究中間結果である。

 理論化の軸は、販売・サービス業も “ものづくり企業” である、とする「生

産マネジメント」(藤本隆宏, 2001a, 2001b) の理論軸を基本にしている。自動

車生産を例に取れば、開発コンセプトにもとづく設計情報を、TPSを活用した効

率的な生産によって材料である鋼板に転写し、商品である車を、アウトプットす

る。販売・サービスでは、お店に入るお客様がインプットであり、店舗で販売

サービスの価値をお客様に転写し、満足したお客様(感動したお客様)をアウト

プットする。

 店舗において、スタッフによるお客様への価値転写が、TPSを活用しながら、

効率的に、組織的に、かつ、お客様の求めることに対応して行われうるかどうか

が、課題である。K社の経営理念が、トップ(社長)の強い改革意思と、販売店

舗店長のリーダーシップによっていかに実現し、成果に結びついていくかを、表

層の競争力、深層の競争力、組織能力などを軸として観察研究した。

最後に、アーキテクチャーの観点から、“すり合わせ型” といえる自動車販売

に、より効率的な “モジュラー型” の販売ツールを導入し、販売サービスの効

率化を実現することが課題のひとつである。

 キーワード:ものづくり企業、すり合わせ型販売、感動したお客様、TPS、

       店舗販売、リーダーシップ、組織能力

 

4. コンピュータ産業研究会 pp. 369-380

西嶋 貴史

「半導体IPライセンスで普及したARMアーキテクチャ

 ―半導体レシピをものづくりにご利用ください―」

 「もの」を売っていないARMのような半導体IPのビジネス・モデルの企業形態

は、なかなか一般に理解されていない。半導体チップの設計におけるIPは、料理

のレシピのようなものである。ARMは、そのレシピ(IP)をライセンスするだけ

で、料理(チップ)は料理人(半導体メーカー)にお任せするというやり方をビ

ジネス・モデルとして行っている。本報告では、高収益のARMのIPビジネス・モ

デルの歴史的背景および現状に関して説明する。

 キーワード:IP、ビジネス・モデル、ライセンス

 

5. 社会ネットワーク研究会 pp. 381-392

吉田 暁生

「ランダムサンプリングによる日本人の知人数推定

 ―「連絡の取れる人」の数のインターネット調査との比較―」

 口コミの影響力を考えるにあたって、ランダムサンプリングによる質問紙調査

を実施し、新たな知人の定義のもとに電話帳法による知人数推定をおこなったと

ころ、先行研究のインターネット調査との異同がみられた。日本人の「連絡の取

れる人」の数の平均は129.9人だったが、インターネット利用者のほうがその人

数は多かった。

  キーワード:口コミ(クチコミ)、電話帳法による知人数推定、

       連絡の取れる人の数

 

また『赤門マネジメント・レビュー』(AMR)のダウンロード数ランキングも更

新しました。

http://www.gbrc.jp/GBRC.files/journal/amr/rank.html

このうち、有料コンテンツ・ダウンロード数(累計)ランキングの部分をご紹介し

ます。ライブ感を出すために、ニューズレターの読者のため特別に、( )内に先

月のランキングと1ヶ月間のダウンロード数も入れてみました。

 

1 (1→) 高橋伸夫 「論説:日本型年功制の再評価」 662 (+12)

2 (2→) 高橋伸夫 「連載:英文論文のススメ」 613 (+13)

3 (3→) 藤本隆宏 「連載:Field-Based Research Methods」 536 (+10)

4 (4→) 高橋伸夫・新宅純二郎 「Resource-Based Viewの形成」 503 (+18)

5 (5→) 高橋伸夫 「連載:ぬるま湯的体質の研究が出来るまで」 479 (+11)

6 (6→) 高橋伸夫 「ペンローズ『会社成長の理論』を読む」 475 (+18)

7 (7→) 藤本隆宏 「新製品開発組織と競争力」 401 (+12)

8 (10↑)安田 雪 「ネットワーク分析用ソフトウェアUCINET(R)の使い方」

    389 (+63)

9 (8↓) 阿部 誠 「連載:消費者行動のメカニズムを探る」 340 (+4)

10(9↓) 森 摂 「潮流2003 第五回 2006年問題の衝撃(下)」 329 (+1)

 

無料コンテンツ・ダウンロード数(累計)ランキングもご紹介します。

 

1 (1→) 小川紘一 「光ディスク産業のビジネス・アーキテクチャとその変遷」

    1369 (+25)

2 (2→) 藤本隆宏 「生産システムの進化論」 1285 (+24)

3 (3→) g新部 裕 「フリーソフトウェア活動と国際協力」 1047 (+25)

4 (5↑) 林 隆一 「電子部品企業のビジネスモデル」 949 (+24)

5 (4↓) 原田信行 「日本におけるコンテンツ産業の可能性」 947 (+11)

6 (6→) 金光 淳  「社会ネットワーク分析パッケージSociometorica

    938 (+17)

7 (8↑) 枷場博文 「境界と限界を超えるコミュニティ・イノベーション」

    895 (+20)

8 (7↓) 田中辰雄 「携帯電話産業におけるネットワーク外部性の実証」

    889 (+9)

9 (9→) 椙山泰生・太田原準「中国企業の競争力と製品アーキテクチャ」

    886 (+12)

10(10→)松原義継 「あるビデオゲームの開発事例」 861 (+13)

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