本ケースは、ホンダ二輪事業のASEANでの市場展開について整理したものである。ホンダは中国二輪企業との競争の結果、2000年頃には中国のみならずベトナム市場でも大幅なシェア低下の危機に直面した。この状況に際し、ホンダは製品戦略を大幅に変更し、日本オリジナルモデルのCKD生産から、現地開発機能を拡充し、ASEAN市場向けの低価格モデルを導入し、広範な現地化戦略を展開した。低価格モデルの導入は市場シェアの向上に大きく貢献し、品質で劣る中国車に対抗する競争力を形成し、長期的にもASEANの二輪市場を拡大する効果があった。