赤門マネジメント・レビュー
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研究論文
対日直接投資の政策動向と経済分析
投資インバランスの背景と外資系企業の定着化
天野 倫文
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2009 年 8 巻 9 号 p. 509-542

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抄録

過去20年ほどの間、対日直接投資政策は日本の経済政策の重要な柱と位置付けられてきたが、対外投資とのインバランスやGDP比での投資水準の低さは依然として大きな課題となっている。日本の対内投資政策は、1990年代の中央政府主導による投資規制緩和の時代から、近年は地方政府主導で投資誘致活動を行う時代へと徐々にその焦点が変わりつつある。しかし一方で、最近の対日投資には、「流入」とほぼ同水準の「流出」が認められるなど、日本市場における投資の定着性に本質的な課題を抱えている。本稿の後半では、近年の外資系企業の我が国での事業活動の構造的な変化をいくつかの統計から析出し、投資の定着化と日本経済への貢献化に向けた課題と展望を記す。

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© 2009 特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
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