2009 年 8 巻 3 号 p. 93-112
文化変容(acculturation:アカルチュレーション)は日本の経営学においてはまだ馴染みの薄い用語であるが、欧米では1980年代から企業の合併・買収(M&A)に関連して文化変容の研究が行われている。本稿ではこの文化変容の視点からM&Aの成否を論じた欧米の研究者による代表的な研究成果をレビューし、その中でも特に重要なJ. W. Berry (1983, 1984) とA. Nahavandi and A. R. Malekzadeh (1988) の文化変容モデルの問題点を指摘する。