デジタル家電産業では、製品アーキテクチャのモジュラー化によって、新規参入企業が急増し、激しい価格競争に陥る現象が見られる。本稿では、光ディスク産業の事例分析に基づいて、モジュラー化と新規参入が誘発される背景には、日本企業が保有する擦り合わせノウハウが部品、材料、設備、ファームウエアにカプセル化されて流通している現象があることを指摘する。次に、このような構造を利用して、日本企業と海外企業が有効な協業モデルを構築して成功している事例を紹介する。最後に、モジュラー化が進展する経営環境下で、日本企業が豊富な技術資源を活用する戦略的方向性について言及する。