2005 年 4 巻 9 号 p. 459-478
本稿では機能性化学品のひとつとして、カメラ付き携帯電話レンズの世界シェア90%以上を占める日本ゼオンの光学用透明プラスチック「ゼオネックス」をとりあげ、その製品開発プロセスとマネジメントについて検討する。従来、製品開発論では、プロセス型製品の開発では、製品開発組織や開発プロセスにおけるマネジメントの巧拙が製品の競争力を左右するという議論は少なかった。それに対して本稿では、組立型製品開発において有効とされた「問題解決のフロントローディング」など製品開発プロセスにおけるきめ細かいマネジメントが、機能性化学品の製品開発においても同様に有効である可能性が指摘される。