2005 年 4 巻 7 号 p. 343-364
本稿では、機能性化学品における製品開発の成功事例のひとつとして、富士写真フイルムの液晶用光学補償フィルム「ワイドビュー・フィルム」を取り上げ、その製品開発マネジメントについて検討する。事例分析より、製品開発プロセスにおいては、「顧客の顧客」への直接アプローチによる的確なニーズ情報収集が重要だったこと、さらに、製品開発成功後に、「単一商品戦略」「製品開発情報提供の前倒し」といった “仕掛け” や “ビジネスモデル” を戦略的に構築・実施したことが、事業としての成功につながったことなどが明らかにされる。