赤門マネジメント・レビュー
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コンテンツ・ビジネスの未来 第三回
コンテンツ産業論の現在
武石 彰小橋 麗香岡田 美弥子
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2005 年 4 巻 7 号 p. 323-342

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抄録

前回までの連載では、コンテンツ産業を実際にてがけている方から、ビジネスの現場における現状や問題点を取り上げてきた。第三回は、研究者の立場から、コンテンツ産業に対してどのような研究成果をあげられてきたか、また今後どのような研究アプローチをとるべきか、といった点について論じていく。経済学、経営学の研究者にとって、研究対象として一般的だった製造業とは異なるコンテンツ産業に取り組む場合、いきなりアプローチまで新しくすることは有益ではない。新しい対象に既存のアプローチや研究蓄積を利用しながら取り組み、その中から共通性や異質性を解明していくことが研究の発展につながる。コンテンツ産業に対する本格的な研究は、まだ非常に少ない。その中から、三つの研究報告を取り上げた。第一の武石論文では、音楽を対象にして、ラジオからネット配信に至る長い発展の歴史を、大規模システムのイノベーションというアプローチをベースにして解明している。第二の小橋論文は、ゲームソフトを対象にして、製品開発研究としてアプローチしている。最後の岡田論文は、マンガを対象にして、事業戦略論からアプローチしている。対象もアプローチも異なる3論文だが、いずれもそれぞれの分野で先導的な研究であり、今後の研究方向に多大な示唆を与えてくれるものである。(要約:新宅純二郎)

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