2003 年 2 巻 8 号 p. 339-366
日本型の人事システムの本質は、給料で報いるシステムではなく、次の仕事の内容で報いるシステムだということである。仕事の内容がそのまま動機づけにつながって機能してきたのであり、それは内発的動機づけの理論からすると最も自然なモデルでもあった。他方、日本企業の賃金制度は、動機づけのためというよりは、生活費を保障する視点から賃金カーブが設計されてきた。この両輪が日本の経済成長を支えてきたのである。今こそ原点に立ち返り、従業員の生活を守り、従業員の働きに対しては仕事の内容と面白さで報いるような人事システムを再構築すべきである。