2003 年 2 巻 7 号 p. 315-322
景気低迷や消費不振の打開策として、「プレミアム・ブランド」を導入する動きが活発化してきた。ソニーは6月、38万円のデジタルカメラなどを皮切りに「クオリア」ブランドを立ち上げた。トヨタ自動車も2005年、米国で成功した高級車ブランド「レクサス」を日本に「逆上陸」させる。だが、これまで数多くのプレミアム・ブランドが誕生した中で、その後にブランド価値を失ったり、消えたりする例も多い。プレミアム・ブランドは、立ち上げよりも、ブランド価値の長期的な維持の方が難しいとされる。㊤では、日本を代表する消費財メーカーから生まれた三つのプレミアム・ブランドを検証する。