2003 年 2 巻 1 号 p. 1-6
企業がその使命(ミッション)や方向性を具体的な言葉で表す「ミッション・ステートメント」をつくる事例が増えている。独禁法裁判などで傷ついた社会的評価を回復させたい米マイクロソフト、飲料大手のカゴメや京セラは、「コーポレート・ブランド」確立の一環として、ステートメントをつくった。「ミッション」や「ビジョン」という概念を軸に経営革新を進める手法は「ミッション経営」として90年代半ばから広まり、ここ数年でも企業不祥事の防止や業績低迷を克服する手段として注目を浴びている。だが、その作業も単なる「言葉遊び」で終わり、具体的な成果を上げられないまま挫折した例も多い。なにが重要なのか。