2012 年 11 巻 11 号 p. 713-748
発展途上国の企業にとって、先進国からの技術導入は成功のための重要な要素である。遅れて参入した台湾のフラットパネル製造企業は、日本企業から生産技術を導入した。しかし、液晶パネルではその技術移転に成功したのに対して、プラズマパネルでは失敗に終わった。本稿では、プラズマパネルにおける技術移転の失敗の事例分析を通じて、この対照的な結果が生じた理由を考察する。暗黙知を多く含んだプラズマパネルにおける技術移転では、分析したケースのようなライセンス契約ではなく、直接投資やM&A のほうがより適合的であった。我々の主張は、技術移転の組織モードは技術特性に適合している必要があるというものである。