赤門マネジメント・レビュー
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コンピュータ産業研究会報告
情報ネットワークや組み込みソフトウェアを活かして価値を創造
山上 俊彦
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2010 年 9 巻 8 号 p. 607-620

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抄録

本稿では、携帯電話を中心とする組み込みソフトウェア会社の視点から見た21世紀における現代工学の方向性を論ずる。まず、アンチガラパゴス論として、巷間にいわれる日本の携帯は特殊な進化を遂げてグローバルに適用できなくなったとの世評に反駁する。次に、オフショア開発、オープンソース、クラウドコンピューティングの三大課題に直面するソフトウェア産業の現状を鳥瞰し、現代ソフトウェア工学の方向性として越境ソフトウェア工学という概念を提起する。続いて、携帯電話データサービスの現状と、制約、多様性、変化という携帯電話における三大課題、そしてApple、Googleというふたつの黒船の到来が携帯電話ソフトウェアおよびサービスにどのような影響を与えているかを論ずる。あわせてサービスにおける総合エンジニアリング、および、プラットフォームを作るための標準化エンジニアリングについて述べる。最後に、越境ソフトウェア工学を前提にした現代大学教育について示唆を行う。

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© 2010 特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
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