赤門マネジメント・レビュー
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経営学輪講
経済成長の進化モデル
経営学輪講Nelson and Winter (1982), Chapters 8, 9
若林 隆久岡本 伊織氷熊 大輝
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2010 年 9 巻 10 号 p. 741-760

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抄録

新古典派成長理論は経済成長の重要な要因である技術変化をうまく取り扱えていないことを指摘し、進化的アプローチに基づいたシミュレーション・モデルを構築する。各企業が生産コスト低減のためのイノベーションを行うモデルはSolow (1957) が利用した米国のマクロデータによく似た時系列データを生成する。経済成長の進化モデルは、(A) 企業の意思決定についての実証研究と整合的であり、(B) 技術変化についてのミクロレベルの知見に整合的であると同時に、(C) マクロレベルの経済全体の振る舞いを説明できるという点で新古典派のモデルよりも優れている。

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