赤門マネジメント・レビュー
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コンピュータ産業研究会報告
ファームウェア・アーキテクチャの揺れ動きとその要因
デジタル複合機の事例
福澤 光啓立本 博文新宅 純二郎
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2006 年 5 巻 7 号 p. 501-512

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抄録

近年、情報家電や携帯機器などをはじめとした多くの製品分野において、半導体チップとして組み込まれたMPUとソフトウェア(ファームウェア)の重要性が高まっている。機械製品の代表であった自動車ですら、MPUとソフトからなる電子コントロールユニットがいまや100程度も登載されている。そのようなファームウェアが、製品の高機能化、耐久性向上、多機能化、低コスト化に果たす役割は大きく、日本の電子製品、機械製品の競争力を支える重要な要素となっている。しかし、その役割が増大するにともなって、ファームウェアの大規模化や複雑化が進んでおり、開発コスト増大、開発リードタイム長期化、製品不具合の頻発といった深刻な問題も起こしている。そのような状況の中で、多様な機能をつかさどる一群のファームウェアをどのようなアーキテクチャで設計するかが、製品開発の重要なテーマとなっている。機能の増加に対して追加的・場当たり的な対応では、全体としての製品機能を達成できず、様々な問題が生じる。本報告では、デジタル複合機におけるファームウェア・アーキテクチャの変遷についての事例を取り上げて考察する。

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© 2006 特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
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